北九州テコンドー道場ブログ

ITFテコンドー北九州道場のブログです。

『試合に出る』ということ

試合の出場について最近、考える機会がありました。練習をしていると自分の力を試したくなります。それは至極当たり前のことです。

しかし試合の怖さというものを果たしてどれだけ分かっているでしょうか?

試合では練習と違って誰も助けてくれませんし、相手選手は対戦相手が弱いからと手加減なんかしてくれません。むしろ攻撃がどんどん決まるようなら、さらに攻撃は激しくなります。

これだけ攻撃を決めた(ポイントをとった)から、もう攻撃しなくていいやと思う選手は1人もいないでしょう。

防具があるから安全だと思っているのなら、それは過信しすぎです。防具は表面上の外傷は防いでくれますが脳など頭の内部のダメージまで完全に防ぐわけではありません。

実際私も試合で殴られすぎて試合後、気分が悪くなり、吐き気がしたことがあります。また、組手であごの骨を骨折し1ヶ月半ほど入院。まともな練習が3ヶ月できないこともありました。

また、別の試合で蹴りが足に入り、ふとももの中の大きい血管が足の中で破裂し、凝固してしまい2ヶ月間歩けないこともありました。

キックボクシングの武田幸三選手は試合が決まるとまず、遺書を書くそうです。そこまでの覚悟をしろとは言いませんが頭の片隅にはおいておきたいものです。

少年部の試合で、そこまでの実力差があるわけないと思うのも認識が甘いです。現在、全日本で活躍している蘇ピョンス選手、船水選手は少年部時代、天才少年と言われ圧倒的な強さで勝っていたそうです。ひょっとしたら将来全日本で活躍するようなそんな選手がいるかもしれない。

また黄帯から試合に出れますが、それはあくまで例外です。通常は緑帯からしか出場はできません。大会要綱にも『道場長の許可があれば出場可能』という注意書きが入っています。

色帯とひとくくりで言っても昇段間近の赤帯もいます。昇段間近の赤帯と黄帯では大変な実力の開きがあります。

試合に出たい、出したいと思うのは自由ですしいいことだと思います。しかし、私には勝ち負け以前に選手を安全に家に帰す義務と責任があります。安全より優先されるものは何もありません。特に少年部だと身体がまだできていないのでかなり気を遣います。

ただ、そうはいっても地方だと試合をする機会すらあまりないので、自分の体を守ることができたり、体力的なことなど最低限のことをクリアしているのであれば出場させてもいいのかなと思うこともあります。難しい問題です。