北九州テコンドー道場ブログ

ITFテコンドー北九州道場のブログです。

『試合に出る』ということ②

試合とは練習してきた技術と精神をためす場です。

ただ出るだけでは何の意味もありません。確実な練習を積んで勝つことができれば自分の練習してきたこと、身につけた技術の正しさを証明できます。

仮に負けても自分に不足している点を発見することができるので試合とは大変有意義なものです。しかし、練習を積んでないとただ勝った、負けたという結果だけで何も得るものはありません。

テコンドーはスポーツではなく武道です。野球やサッカーの試合にでるような感覚では困ります。また、野球の様な団体スポーツですとレギュラー争いがあり、自分が出たくても出れないことがあります。

そのときにレギュラーになる実力すらないのに、出たいから俺を出せというのでしょうか?個人競技で出れるんなら出せというのでは、おかしいでしょう。やはり、そこには試合に出るための明確な基準というものがあります。

試合に出たいけど出れないというときにすることは道場責任者に文句をいうことではなく、誰がみても文句がないぐらいの実力をつけることでしょう。

試合で入賞するぐらいの実力があるのなら、むしろ私の方から出てくれと言います。

人それぞれ考え方が異なるので、他人の意見を否定する気はありませんが各個人の性格はある程度把握していますし、テコンドーに関しては間違いなく私の方が詳しいでしょう。その私の考えが理解できないのであれば私には、もう教えることはできません。

また、テコンドーは格闘技でもあります。格闘技とはなんでしょう?相手を倒すことです。相手を完膚なく叩きのめすのが格闘技です。その怖さを理解しているでしょうか?

大人であればコンクリートのブロックを砕く蹴りが自分に向けて放たれる。こちらが躊躇しても相手は手加減などしてくれない。

私も試合は怖いです。怖さというのを知った上で乗り越える。怖さを感じてない人はダメです。

東京にいたとき、黒帯になって1部の試合にでた時のことです。当時、全日本3位の韓哲秀選手と対戦しました。けっして大げさでなく、本当に殺されると思いました。当時の私の実力は2部の試合で最高でもベスト8ぐらいです。

試合1ヶ月前に組み合わせが分かったのですが対戦相手を知った瞬間、顔が真っ青になり、逃げ出したくなりました。1週間ぐらい真剣に試合を辞退しようか悩みました。

けれど逃げても何も得ることはないので、腹をくくりました。試合のビデオを手に入れ、毎日、ビデオを見て研究しました。韓哲秀選手はワンツー(パンチ)トルリョチャギを多用します。ワンツーのときにトラ・ヨッチャギを決めようと徹底的に練習しました。

試合当日、ワンツーがきたのですが予想より早く1度目は右目にきれいにもらってしまいました。しかし、ポイントを取り返し、最終的に敗れたのですが延長まで戦うことができました。

後で韓哲秀選手に聞くとあの技はよかったと言ってもらえました。これも怖かったが、逃げ出さずに立ち向かったおかげです。

今でも試合や組手は怖いです。なので日々、その怖さを乗り越えるためにがんばっています。